ぱっちりひつじ

げんじつにっき

ひつじAによる全曲解説:第21回「かえってきたナナシザメ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

ゆめにっき2の楽曲解説もついに終わり間際。
ラスト1個前を飾るのは、「ナナシザメ」の締めとなる曲です。


■どんな夢?

「ナナシザメ」の夢には、実は続きがありまして。

元の海に戻りたいと願っていた僕は、
気が付くと、不思議な空間にいました。

驚くほど真っ白で静かで、それでいて温かい空気に包まれているような感覚。
あたりを満たすのは水ではないけれど、不思議と呼吸も出来るし、
自由に泳ぐこともできます。

「おそらく自分は死んでしまったのだろうな」と思いながら泳ぎまわっていると、
遠くのほうに、見覚えのある影がたくさん見えました。
昔、自分のことを怖がっていた、魚やカメたち。
彼らはなぜか、ニコニコと笑いながら僕のほうを見ています。

さらに泳いでいくと、大きな2つの影が見えました。
ああ、懐かしい、誰だろう。
自分と全く同じ形をした2つの影は、そんな僕にやさしく語りかけてきました。

「おかえり」
「おかえり」

すると、あたりの真っ白な空間はだんだんと美しい青に変わってゆき、
水面を通してキラキラと輝く、まぶしい太陽の光が差し込んで・・・


・・・ここで覚醒。


■どんな曲?

最後に語りかけてきたのは、おそらく、サメ君の両親だったと思います。
長い旅を経て、彼は再び海に戻れたのか、あるいは戻れなかったのか。

夢をみた本人にもわかりませんが、
「戻れていたら良いな」という思いを込めて、
優しく温かいふんわりした楽曲として、本編から切り離しました。

リズム隊のいない、シンセとアコギと歌だけで構成されたこの曲。
ひつじG:みうみう による美しいギターの旋律は、
歌詞以上にストーリーを物語っていると自負しています。

ボーカルはひつじC:ちさる だけに聞こえますが、
よくよく聴いて頂くと、ひつじE:ゆう のウィスパーボイスが重なっているのが分かると思います。
これは、新しい世界へ泳いでいくサメ君の魂が古い体から離れていくようなイメージです。
ちょっと違いますが、幽体離脱みたいな感じ。


■そのほかのエピソード

実は本アルバムには、「終わりから始まりにつながる」という隠しテーマがあります。
この曲の歌詞の内容自体もそうですが、
単独曲として切り離したうえ、この場所に配置していることにも意図があったりします。

詳しくは次回の解説にて。


ひつじAによる全曲解説:第20回「ついらくせんようマシン」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

今回は、ザクザクのギターが暴れまわるヘヴィメタルチューン「ついらくせんようマシン」についての解説です。
(ヘッドバンギングしながら書いています)


■どんな夢?

墜落することを目的とした、赤い戦闘機。
それが、夢の中での僕の姿でした。

目的はひとつ。
墜落して、パイロットの命を絶つことです。
戦闘機の仲間は他にも沢山いて、
中には数十人のパイロットの命を葬った歴戦の猛者などもいます。

しかし僕は落ちこぼれ。
何度も墜落を試みるものの、まったく成果を上げられずにいました。

このままではいけない。
入念に準備をし、満タンだったオイルも半分に減らしておきます。
さあ、今夜こそ、我が主(=パイロット)の命を絶たせてみせようぞ!

意気揚々と飛び立つと、なかなか良い感じ。
我が主のご機嫌も上々で、ちゃんと連携もとれている。
飛んでいるうちに段々と気持ちも良くなってきて、
制御回路もぶっ壊れてきて、いよいよ墜落だ!!ひゃっはーー!!!

と、その時。

我が主は何を思ったか、ピピピっとパネルを操作し、
異常を起こした部分をすべて修復したうえ、
おどろくほどの素早さでハッチを開け、
バビューン!と脱出して、どこかへ行ってしまったじゃありませんか。

何が起こったか分からず、ただ茫然と飛び続ける僕。
空っぽの操縦席が、とても寂しい感じ。

またしてもミッションをこなせなかった僕は、失意の中、
砂漠に向かって一人で墜落していきます。
最後くらいは、せめて戦闘機としてカッコよく墜落しようと心に決めながら。


・・・と、ここで覚醒。


■どんな曲?

歌詞とメロディが出来た時点で、
「これは、男っぽい本物のヘヴィメタルにしてやる!」と思っていました。

メインボーカルをひつじE:ゆう に一任し、
ひつじG:みうみう にメインのギターリフを考えてもらう。
キーボードは必要最低限のフレーズだけを弾いて、裏方に回る。

普段のぱっちりひつじのやり方とは全く違うアプローチを試みたところ、
狙った通りの効果が出せました。

とはいえ、やはり物語的な展開も大事ですし、
効果音なんかもけっこう頑張りました。
(一人で取り残されたシーンでの、飛行音とか)

MEGADETHやIRON MAIDENへの敬意を払いながらも、
結果的には、我々らしい曲に仕上がったのではないかと自負しています。

あと、歌詞について。
いろいろな深読みができるかとは思いますが、
あまり重く捉えないでもらえたらと。
なぜこのような夢を見たのかという点で、自分で思い当たる節もあるのですが・・・。
こうやって歌にできたことで、解消されていますので。


■そのほかのエピソード

この曲、メンバーみんなの熱がかなり高まっていたこともあり、
何回も録り直しを行っています。
「ねぇ、もっかい録っていい・・・?」
「うん、もう編集もミックスも進めちゃってるけど、いいよ、録ろ!」
みたいな。

他にも、
「ここのリフ、どうしようか?」とか、
「ボーカルの処理、こんなんで良い?」とか、
「イラストの構図、どうしようか?」とか、
みんなで楽しく相談しながら作りましたね。

結果、作曲時のデモとは全く違う仕上がりになり、とても満足しています。

あるじがピピピっとパネルを操作する時の音、実はキーボードで手弾きしてるんですが、
そんな細かいこと、もう、どうだって良いです。

バンドって良いですね☆

ひつじAによる全曲解説:第19回「ナノしば」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

にゃんこ、わんこ、かわいいですよね。
夢にもよく出てきます。
ゆめにっき1では、右手にかぶりつくにゃんこの夢を歌にしました。
今回は、顕微鏡を使わないと見えないくらい小さなわんこの歌です。


■どんな夢?

ある日、我が家に荷物が届きました。
なんだろう?と思いながら箱を開けると、
プレパラート(顕微鏡で微生物を観察するときに使うやつ)がひとつ。
どうやら、このプレパラートの中に柴犬が2000匹入っているらしいのです。

さっそく顕微鏡にプレパラートをセットし覗いてみると…。
いるわいるわ、かわいい子犬がわんさかいる。
柴犬、大好きだけど。
えーーっと、これ、いったいどうしたらいいんだろう。

2000匹もいるけど、大切に飼わなきゃいけないので、まずはみんなに名前を付けないとね。

というわけで、顕微鏡を覗きながら注意深くそれぞれの特徴を観察し、名前を考えていきます。
どの子犬も特徴があって、それぞれ個性的。
最初のうちはテンポよく名前をつけていったのですが…。

100匹くらい考えたところで思いました。
これ、超めんどい。

プレパラートの中の子犬たち、元気よく動き回っているゆえにどれがどれだかわからなくなるし、
そもそもネタ切れ。
2000匹は多すぎるよ。
正直、人の認識レベルを超えています、無理無理。
面倒くさくなった僕はだんだんやる気をなくし、適当な名前を付け始めるのですが。。。

・・・ん?

1匹だけ、明らかにレベルの違う子犬がいらっしゃいました。
ちょーやばい可愛さです。
みんな可愛いんだけど、もう、この子だけは別格。神。

えこひいきとか良くないことは分かっています。
でもこの子だけは、ちゃんとした名前をつけてあげたい。

でも・・・。

そう簡単に思いつかないですよね。
本気なほど、悩んじゃう。
どーしよーー どーーしよーー うーーーん

・・・と、ここで覚醒。


■どんな曲?

夢の内容の時点で、「ぶらぶらねこ」と対になる曲になるであろうことは分かっていました。
なので、そういう風に狙って作ってます。
にゃんことわんこ、どっちも好きなんだー!!

ゆめにっき2の中では比較的ポップな曲調ですし、
「ドSピエロのボブ」と同じく、シングルカットするならこれ!という意識で仕上げたんですが。

思い入れが強かったせいか、アレンジにも熱が入ってしまい、
アルバム中もっとも演奏テクニックが必要な曲になってしまいました。
変拍子、転調、いろんなことを盛り込んでいます。

でもでも、この曲を通して言いたいことはひとつです。

柴犬、かわいい!!!


■そのほかのエピソード

特にないです。

ひつじAによる全曲解説:第18回「にぎゃにぎゃじゅむじゅむ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

隠し三部構成組曲の最後は、
ちょっと特殊な曲である「にぎゃにぎゃじゅむじゅむ」です。


■どんな夢?

なにが「特殊」なのかといいますと。
この曲、夢の中のストーリーというよりは、
眠りにおちる瞬間の幻覚のようなものを歌詞にしているからです。

寝ようとしている僕のまぶたの裏で、
ぐにゃぐにゃ、ぐにゅぐにゅと伸びていく謎の線が2種類。
どうやら名前は「にぎゃ」と「じゅむ」というらしい。

線たちは細胞分裂を繰り返し、どんどん増えていきます。
しかしそのうちに、「にぎゃ」と「じゅむ」の数のバランスが崩れてきます。

このままではいけない、どうにか2つの勢力を均等にしてあげなければ!
それまでは眠らずに頑張るぞ!
謎の使命感の元、眠さをこらえて精神を集中させます。

しかし僕の祈りなど、彼らには全く効果がありませんでした。
なぜなら線たちは、人間の力など全く及ばない、宇宙規模の大いなる存在だったからです。

目の前を覆いつくす線たち。
その線によって何かが形成されていくのをハラハラしながら見守る僕。

そうこうしているうちに、僕は意識を失い、眠りに落ちました。


■どんな曲?

前半部では、理科の実験映像を見ているかのようなケミカル感を、
後半部では、線が増えすぎてどうしようもなくなっていくカオス感を、
ちょっとハードコアっぽい音に乗せてみました。

またイントロ部分は、増殖しながら伸びてゆく線のイメージを表現すべく、
色々なフレーズが重層的に組み合わさるポリリズムっぽい作りになっています。

結果、ベースラインがとっても高難易度になってしまい、
ひつじF:とよでぃ に大変な苦労を強いることに。
でも、めげずにやってくれたうえ、
間奏部分では自らスラップベースを入れたフレーズにしてくれたりと、大奮闘。
おかげで、アルバム中、最もプログレっぽい曲になったのではないかと思っています。


■そのほかのエピソード

偏執狂的に細かく書き込まれた、「手描きポリゴン」とも言うべきイラスト。
ひつじB:くうかんきんぎょ から
「こういう感じで描きたいんだけど」と下書きを見せられた時には、
正直、「できんの!?」と心配したものですが・・・。

やり遂げましたね、すごいですね。

大いなる存在である「にぎゃ」と「じゅむ」が命を形成していく様は、
夢で見ていた感覚と非常に近く、
音楽と見事に融合してくれたと思います。

そうそう。
「ご・アマーモス」からこの曲までがメドレーになっている理由について。

3曲に共通しているのは、何かが滅び、あるいは生まれる、というテーマ。
「無」である「たいようのさいご ~その2~」を挟んで、
「おわり」から「はじまり」へと展開する形となっています。

6曲目が「無(=インストゥルメンタル)」であるのにも、理由があるのですが。
それはまた後ほど。


ひつじAによる全曲解説:第17回「たいようのさいご 〜その2〜」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては6曲目、こちらも見開きドドーン。
ぱっちりひつじ初となる歌の無いインストゥルメンタルナンバー、
「たいようのさいご 〜その2〜」です。


■どんな夢?

太陽が爆発する夢のパターンのうち、
・爆発した太陽を客観的に眺めている
を表現したのがこの曲。

真っ白に燃え尽き、動かなくなった太陽。
そのまわりに、ぼんやりした何かがたくさん集まり、
かわるがわる弔いの言葉を投げかけていきます。
中には激しく泣きじゃくっている者も。

その様子を遠くから見つめていた僕。
「あ、これは太陽のお葬式なんだ」と気付き、
式に参列しようとするのですが…

一瞬でお葬式の風景は消え去り、
同時に、この夢は終わってしまいました。


■どんな曲?

全体的に音の無い、静寂に満ちた夢だったこと、
組曲の中間パートであること、
そして、アルバムのど真ん中(6曲目)であることをふまえ、
歌パート無しの特殊な曲に仕上げました。

「葬送行進曲をロックでやったらどうなるだろう」という方針のもと、
僕の大好きなSENTENCED(今は解散しちゃったフィンランドのゴシック・メタルバンド)
の影響も出しながら作っていたら、
最終的にはゲイリー・ムーアみたいになりました。
不思議。

個人的に気に入っているのは、2パート目のオルガンのメロディ。
3パート目に入ってもそのまま継続できるよう、
ギターの対旋律になるようにしてあります。
熱いギターメロの後ろに注目して頂くと、
オルガンもメロを弾き続けているのが聴こえると思います。

あと、この曲のメロディは…ごにょごにょ。
…続きは「その3」の解説にて。


■そのほかのエピソード

弔いのセリフは、みんなで飲んだ時に、
酔った勢いでハンディレコーダーで録りました(笑)。

ひときわ目立つ「えーん えーん」という声は、
ひつじG:みうみう です。
エモーショナルなリードギターといい、良い仕事しますねぇ。

ひつじAによる全曲解説:第16回「ご・アマーモス」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては5曲目、見開きドドーンのイラストが美麗な、
「ご・アマーモス」です。


■どんな夢?

冷たく暗い、宇宙空間。
滅んでしまった惑星の表面で、僕はただ、
ぬぼーっと立ちすくんでいました。
自分の体は巨大化し、そのせいか、宇宙全体が小さく感じます。
どうしてこのような場所にいるのか、
惑星に何が起こったのか、さっぱりわかりません。

わかるのは、あたり一面に広がる星々に向かって、
歌を唄い続ける必要があるということ。
そしてその歌は、
「ご・アマーモス」という、
たった1行のフレーズしか無いものだということ。

哀しさも寂しさもなく、ただ無感情に、
僕は「ご・アマーモス」を歌い続けました。

するとどうでしょう。
僕の心の中に、宇宙の星々の歴史や記憶が次々に流れ込んできたのです。
悲劇的でやるせない、滅びた星たちの記憶の数々。

その時、惑星の東西南北から、不思議な気配を感じました。
辺りを見回すと、ウサギや子ヤギや、真っ赤なハトや真っ青なハトが、
「ご・アマーモス」を唄いながら集まってきているではありませんか。

僕も負けじと唄い返すうち、
やがてその歌は大きなエネルギーとなって宇宙全体に拡がっていきます。
同時に、星々から送り込まれる悲しい記憶の波が、
次第に和らいでいくのを感じ始めました。

僕は気付きます。
「そうか。この歌は、宇宙における共通の鎮魂歌だったんだ。
無機物、有機物、すべてに対して有効で、そして誰もが知っている・・・」

・・・ここで覚醒。


■どんな曲?

抽象的でシュールながら、とても深い余韻を残す夢でした。
なんともいえない物悲しい感覚を音楽化するのは苦労しましたが、
ひつじG:みうみう がこの曲をとても気に入ってくれて、
多彩なトーンのギターを駆使して曲に深みを与えてくれました。
ありがとう、みうみう!

厚く重ねたコーラスや、サビでのシューゲイザー的なギターワーク、
ハイポジションでメロディアスに動き続けるベースなど、
初めての試みが盛り沢山の1曲です。


■そのほかのエピソード

イントロのメカニカルなキーボードは、ほんっと難易度高かったです。
作曲時、実際に弾くことを考慮しないで作ると大変なことになりますね。

なお、この曲から7曲目の「にぎゃにぎゃじゅむじゅむ」まで、
トラックは分かれていますが、音のほうはメドレーのようにつながっています。
「たいようのさいご」シリーズとはまた別の、
隠れた三部構成組曲。