ぱっちりひつじ

げんじつにっき

ひつじAによる全曲解説:第15回「ドSピエロのボブ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては4曲目、シングルカットとして以前から発表していた「ドSピエロのボブ」です。


■どんな夢?

とある住宅街の一角にある、とある公園。
子供から大人まで沢山の人で賑わうその公園に、
ある時期から、一人の不審な人物が現れるようになりました。

彼の名はボブ。
白塗りの顔にシルクハットを被り、ムチを持った、年齢不詳の人物です。

ムチを振り回しながら無差別に襲い掛かってくる彼は、人々を恐怖に陥れました。
ですが、それもつかの間。
まもなく、彼は笑いの対象になってしまいました。

なぜなら、彼の攻撃は、絶対に相手に当たらないのです。
わざと当たろうとしてもスルンとすり抜けてしまうくらい、本当に当たりません。

なぜ当たらないのか。
実は彼、ドSピエロの家系に生まれながらも、人を傷つけるのが大嫌いだったのです。
そのため、無意識のうちに攻撃を手加減して、ムチが当たらないようにしていたのでした。
生い立ちゆえの使命感を持ちながらも、自らの優しさゆえに全力を出せないボブ。

ですが、人々はそのことを知りません。
ただただ彼をバカにし、からかい続けます。

・・・そして。

彼はとうとう、ムチを振ることもできず、家に帰ることもできず、
公園の片隅でしょんぼりと座っているばかりの存在になってしまったのでした。


■どんな曲?

この夢を見た直後、「ドSピエロの家系」ってなんじゃい(笑)と苦笑しながらも、
イメージがどんどん膨らんでしまい、
起床後、30分とかからずに歌詞もメロディも完成しました。

攻撃を外したときの、「おっとっとっと・・・」と片足立ちでよろめくボブ。
その姿がまるでタンゴを踊っているような感じだったので、アレンジ面でもタンゴを強く意識しています。
展開のはっきりした歌謡曲っぽい出来になったので、
これはシングルとして最初に世に出そう!とすぐに決断したのを今でも覚えています。

その決断は間違っていなかったと思いますが、
まさか、肝心のアルバムが出るまで数年かかるとは・・・。
これは完全に誤算でありました、すみません。


■そのほかのエピソード

アルバムバージョンでは、ボブの妄想パートをより具体的に表現すべく、
恥ずかしいポエムを追加収録しています。
その他、ミックスのやり直しや、キーボードのフレーズを部分的に削除するなど、
いろいろ変更をかけています。

シングルバージョン、アルバムバージョン、それぞれの良さがあり、
どちらが優れているわけでもないと思っていますので、
両者の違いを楽しんで頂けたら嬉しいです。

特に、シングルバージョンのブックレットには、
アルバムには載っていないイケメンversionのボブのイラストもあります。
イケメン好きの皆様は要チェック!


ひつじAによる全曲解説:第14回「ホラーティッシュのうた」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては、3曲目、「ホラーティッシュのうた」。
かれこれ10年以上も昔、アルバイトに勤しんでいた時代に見た夢を元にしています。


■どんな夢?

とある雑貨屋でバイト中、話題の新製品のサンプルが届きました。
その名は「ホラーティッシュ」。
5箱で1セットになったそのティッシュは、
思わず鳥肌が立つような禍々しい雰囲気を放ち…

なんてことは一切なく、どうってことのない、安っぽいオーラを放っていました。

呪いの紋章付きティッシュ(ホワイト&イエロー)、これは、まぁ分かる。
ホラーっぽいもんね。

血痕付きティッシュ(ピンク&ブルー)、これは分かりやすいかも。
血の痕が付いてるのは、まぁ怖いかもねぇ。

わさびティッシュ(グリーン)、おい、なんだこれは。
あぁ、でも、これで鼻をかんだりしたら、確かに恐ろしい事態にはなるか。

ティッシュを試しに使ってみながら、なんとか怖いところを見つけようとしますが、
正直、安っぽさばかりが目につきます。
ぜんぜん怖くない。
がっかりしながら、雑貨屋の店長と雑談を始める僕。

「それにしても、なぜ、血痕付きがピンクとブルーなんですかねぇ?」
「血痕付きティッシュがホワイトだと、鼻血をふいた後のティッシュみたいだろ?
だから目立たないブルーとピンクにしたらしいよ」
「な~るほど」

…?

…まぁ、そんな夢です。


■どんな曲?

あまりにしょーもない夢だったので、
ちょっと脚色を加えて、CMソング化してみました。
夢で見た通りの展開をそのまま曲にするというルールから逸脱しちゃうかな?と、
最初は躊躇もありましたが。。
夢の中でCMソングが流れていた記憶もあるので、まぁいいかと。

全体的にノリノリのポップロックチューンですが、
中間部では、不吉な数字と呼ばれがちな「13」を取り入れ、
13/8拍子なんていう難しい拍子を使ってみました。
その結果…

肝を冷やしたのは楽器隊メンバーだけだったというオチ。
リズム間違えそうで、すごく怖かったです。

あと、ひつじBのイラストの、送料の部分。
これは、ホラーですよ。
なにせ、商品の値段よりも、送料のほうが高いですからねぇ!


■そのほかのエピソード

この曲の特徴でもある、うさんくさいテレビ通販パート。
1本のマイクをボーカル二人で持ち替えながら、
アドリブでやってもらったのですが。

録音前に軽い打ち合わせをしただけなのに、
たった1回のテイクで完了。

凄い、凄いぜ。

…と思ったけれど、考えてみれば、この二人は普段からこんなノリなので、
単に素のキャラが顕在化しただけかもしれない説。
まぁ、結果オーライですけども。


ひつじAによる全曲解説:第13回「ナナシザメ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては、2曲目、「ナナシザメ」です。


■どんな夢?

夢の中で、僕は、何の目的もなく、ただ広い海の中を泳ぎ続けるだけの生き物でした。
泳ぐ意味も分からない、自分がそこにいる意味も分からない。
そもそも、自分って何なんだっけ?
自分の名前って何だっけ?

悩み続ける生活に嫌気がさし、ちょっと遠くまで泳ぎに行ってみたところ、
暗い海の底で迷子になり、彷徨い続ける羽目に。
押し寄せる海流に飲まれ、
「もうこのまま死んでしまうんだろうなぁ」と思ったところに、
ふと、不思議な声が聞こえます。
「君に名前をあげよう」と。

気が付くと、まぶしい、明るい世界に僕は居ました。
もの珍し気に浴びせられる視線の中で、
僕は、自分が「サメ」という名前の生き物だということを知ります。

初めて名前をもらった喜び、注目される喜び。
やっと、自分が何者なのか分かった喜び。

しかし、絶滅した種の唯一の生き残りであったために、
過度に保護され、注目され、もはや自由に泳ぐことすら出来なくなりました。

こんなことなら、昔のほうが良かった。
自由に泳げた頃のほうが良かった。

そんなことを思いながら、水槽の中で、
昔の生活を思い出しながら泳ぎ続けるのでした。

”そうだ、嫌われていても、疎まれていても、
あの時の自分は、少なくとも孤独ではなかったのだ”


■どんな曲?

ぱっちりひつじ史上、最も長くて複雑な曲です。
あまり難解にするつもりは無かったのですが、
夢で見たストーリーを描写していくうちに、どんどん筆が進み、
気が付いたら、こんな大曲になっておりました。

イントロを経た後、シンセリードがメロディをとる6/8拍子のパートは、
いわばこの曲の主要テーマ。
後半に出てくるオルゴールパートや、
歌メロの一部も、このテーマをもとに組み立てられています。

そして、ようやく始まる歌メロパート。
この部分だけでも成立するような、
オードソックスな児童ソングをイメージして作りました。
ちゃんと、Aメロ、Bメロ、サビ、があります。

その後、深海を彷徨ったり、波にもまれて浜辺に打ち上げられたり、
水族館に保護されたりしながら、
元の歌メロパートに戻っていくのですが。

音楽的には元に戻っていながらも、
お話としては、まったく違うシチュエーションに変化しています。

…そのあたりは、ぜひ、歌詞と絵を見ながら聴いて頂けたらと。

自分が何者か分からずに、ただ「個」を求め続けたサメ君の、
ちょっと切ない物語を楽しんでもらえたら嬉しいです。


■そのほかのエピソード

泣きのギターソロがたっぷり盛り込まれたこの曲。
あまりにギターパートが多すぎて、
ひつじG:みうみう から、
「エンディングは、キーボードもソロやってくださいよ!」
と怒られてしまいました。
その結果、エンディングはギターとオルガンのソロバトルをすることに。
でも、やって良かったな、と思っています。

あと、特筆すべきは、主人公が浜に打ち上げられてからの、
縦長の生き物が取り囲むシーン。
学者(男)、学者(女)、漁師、老人、悪ガキ、という5つのキャラを、
ひつじE:ゆう が全て演じています。
器用ですねぇ。

ひつじAによる全曲解説:第12回「たいようのさいご ~その1~」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

このコーナーもようやくの再開です。
過去の曲のうち、まだ解説していないものもいくつかあるのですが、
それはいったん置いておくとして。
2ndアルバム「ゆめにっき2」の全楽曲に込めた思いを、
熱く語っていこうと思います!

まずは、1曲目、
「たいようのさいご ~その1~」。


■どんな夢?

太陽が爆発してしまう夢を、昔からよく見ていました。
もう、ドカーンドカーンと本当によく爆発していて、
正直なところ見飽きたくらいです。

ただ、そこには大きく3つのパターンがありまして。
簡単に書くと、以下のような感じです。

・自分が太陽そのものになって爆発する
・爆発した太陽を客観的に眺めている
・まったく関係のないストーリーの中で、太陽が爆発したことを知る

この事に気づいた時、
「これは三部構成の組曲にできるぞ、むふふ」
と思いついてしまったわけですね。

というわけで、本曲は、1つめのパターンである、
自分が太陽となって爆発する夢を題材にしています。

よくわからないけれどイライラする感じ。
自分の中に存在する原子の粒が、ぶくぶくと核融合を起こし、
抑えが利かなくなっていく感覚。

…ストレス社会を反映したような夢で、なんだかイヤですが。
曲の題材にできたから、まぁいいや。


■どんな曲?

イライラした気持ちを表現するために、
変拍子、不協和音、唸り声を、たくさん入れました。
ギターもベースも、ほんとに覚えにくいフレーズばかりです。
みんな、よくこんなの弾くなぁ(無責任)。
ひつじBのイラストもイライラ感が満載。
ボーカルは、ひつじCは敢えてお休みで、ひつじEにすべてを任せました。
爆発する瞬間の絶叫は、本作でも屈指の名演だと思っています。

あと、「太陽」というワードから、
KING CRIMSONへのオマージュも少しだけ入れています。
「part1」とか書かずに「~その1~」という表記にしたのは、
良心の成せる技。


■そのほかのエピソード

自分が太陽になって爆発する夢の中には、
他にも色々なバリエーションがありました。

「ラーメンの出前を運んでいる最中に、交差点でトラックにはねられる。
するとなぜか太陽に変身して爆発。
ナルトやメンマが宇宙に散らばり、それが新たな星となる」

「おいしいハンバーグを作ってくれるお姉さんが、僕のおでこをタッチする。
すると、なぜか太陽に変身して爆発。宇宙を漂う大量のハンバーグ。
焦げてはいるが、けっこう美味」

…などなど。

今回の作風には合わないので、そのあたりは描きませんでしたが、
その4、その5、を作ることがあれば、
題材にしてみても良いのかも?

ひつじAによる全曲解説:第11回「ぽぷぺぴぱ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

7/15に無事に発売となった、1stマキシシングル「ぽぷぺぴぱ」。
我々としてはかなりチャレンジャブルな新作だったのですが、
いかがでしたでしょうか。
現在はオフィシャル通販でのみ取り扱っていますが、
今後はショップ委託やイベント頒布も予定していますので、
ぜひチェックしてみて頂きたく思います。

今回は、その新作から、
タイトルトラック「ぽぷぺぴぱ」の解説を書いてみようと思います。


■ぽぷぺぴぱ

ぱっちりひつじ初の、ひつじE:ゆう との共作曲です。
ある日、ひつじEが「へんな夢を見た!」といってメールを送ってきたのですが、
それを読んだ瞬間、まるで自分がその夢を見たかのように、
ポーーンと閃いてしまいまして。
メールに書かれていた物語を歌詞の形に整え、
そこにメロディをつけて仕上げたのがこの曲です。

以下、ひつじEの見た夢を僕なりに解釈したものです。





夢の中で、ひつじEは歌のレコーディングをしていました。
しばらく普通に歌っていたのですが、
突然、口から何かがポポポポポーン!と飛び出したではありませんか。
見てみると、肌色のそら豆が5個。
どうやら、ポップノイズ(※注)がそら豆の形をとって実体化してしまったようです。

※注
歌を録音する際、マイクに息が直接かかってしまうと、
「ぼふっ」という雑音が入ることがあります。
この雑音を「ポップノイズ」と呼びます。

驚いたひつじEですが、なんとなくマイクに向かって「ぱ!」と喋ってみると、
そら豆たちが次々に反応し始めました。
「ぽ!」
「ぷ!」
「ぺ!」
「ぴ!」
「ぱ!」

どうやら彼らにとって、人間と意思疎通できたのは初めてだったらしく、
それぞれが「ぽ!」「ぷ!」などと声を出しながら、
嬉しそうに踊っています。
そら豆と一緒に声を出し合ううち、すっかり楽しくなってしまったひつじE。
歌の録音のことなど忘れ、ずっと彼らと遊んでいたのですが・・・

気がつけばかなりの時間が経ち、
ひつじEは、レコーディングの続きをしなければいけなかったことを思い出しました。
しかし、そら豆たちは相変わらず騒ぎ続けていて、
一向におとなしくなる気配がありません。
そこら中を飛び回り、大声を出しながら踊り続ける彼ら。
困ったひつじEが、思わずちょっと強い口調で注意したところ・・・

一瞬、驚いて硬直したそら豆たちでしたが、
すぐに笑顔に戻り、
「は~い」と元気に返事をしながらスタジオを出ていきました。
思ったより素直な反応に驚くひつじE。
その時、一番最後に出て行こうとしていたそら豆が、
振り向きざまにこう言いました。
「あ、たまには、ぽぷぺぴぱしてね!じゃあね!」

そしてひつじEは、一人ぽつんとスタジオに残されました。
さっきまでの騒々しさが嘘だったかのように、
スタジオの中は静まりかえっています。

レコーディングは無事に終わったものの、
だんだんと寂しさが増してきました。
何の音もしない、何ひとつノイズの入らない防音室の中で、
そら豆たちと楽しく過ごした時間に想いを馳せていたのですが・・・。

そこでふと思い出したのです。
そら豆は最後にこう言ったのでした。
「たまには、ぽぷぺぴぱしてね!」と。

そうか、僕らは「ぽぷぺぴぱ」でつながっている。
あの楽しいリズムをいつも保っていれば、
きっとまた会えるはず。

そう考えたひつじEは、また元気に歌を録音し始めました。
「ぽ!」「ぷ!」「ぺ!」「ぴ!」「ぱ!」のリズムを思い出しながら。





という感じで、とてもかわいらしく、心温まる物語だったので、
思いきり明るくポップな曲にしてみました。
1番、2番、間奏、繰り返し、という、
一般的なポップスの構成をとっているのが一番の特色でしょうか。
あまりに明るいので、
メンバーにデモを聞かせた時、「どうしたの!?」と驚かれたくらいです。

とはいえ、単にポップなだけでは面白くないので、
ちょこまかとネタは入れてみました。

「5匹の豆」を意識して5拍子を基本にしてみたり、
踊っている様子を出すべくツイスト系のリズムを導入してみたり、
豆が帰っていくシーンではドヴォルザークの「家路」をこっそり引用してみたり・・・
あと、この曲の調性は「Gメジャー」なんですが、
そら豆の「そ」と、音符の「ソ(=G)」をかけています(自己満足)。

アレンジ面では、豆っぽさを出すべく細かい音符を多用して、
コロコロ・ツブツブした感じを狙いました。
そのせいか、演奏にあたってはかなりの忍耐力が必要で、
メンバーのスキルアップにもってこいな感じになった気がしてます。

ボーナストラックに「サボリバージョン」を入れようと思ったのも、
各メンバーの普段の基礎練習に便利かなー、
と思ったのが最初のきっかけだったりします(笑)

新作「ぽぷぺぴぱ」発売!

ひつじA:りょう :
Category: おしらせ,おんがく,にっき,ゆめ

さてさて、当初の予定より遅れてしまいましたが、
新作「ぽぷぺぴぱ」が無事に発売となりました!!
すでにお手元に届いている方もいらっしゃると思いますが、
たくさんの予約を頂き、本当にありがとうございます!


今作は、2ndアルバム用に作りためていた曲のうち、
アルバムに入れると浮いてしまいそうだったクセの強い3曲を、
マキシシングル扱いで単独リリースしたものです。
どの曲も今後アルバムに収録されることはなく、
このCDでのみ聴けるものとなりますので、
ぜひぜひ手にとって頂きたいなと思います。


今後のイベント(M3など)にももちろん持っていくつもりですが、
空間想庫での通販では、
ひつじB描き下ろしのレアなポストカードも先着順でお付けしますので、
ぜひぜひチェックして頂けたらと思います。


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