ぱっちりひつじ

げんじつにっき

ひつじAによる全曲解説:第17回「たいようのさいご 〜その2〜」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては6曲目、こちらも見開きドドーン。
ぱっちりひつじ初となる歌の無いインストゥルメンタルナンバー、
「たいようのさいご 〜その2〜」です。


■どんな夢?

太陽が爆発する夢のパターンのうち、
・爆発した太陽を客観的に眺めている
を表現したのがこの曲。

真っ白に燃え尽き、動かなくなった太陽。
そのまわりに、ぼんやりした何かがたくさん集まり、
かわるがわる弔いの言葉を投げかけていきます。
中には激しく泣きじゃくっている者も。

その様子を遠くから見つめていた僕。
「あ、これは太陽のお葬式なんだ」と気付き、
式に参列しようとするのですが…

一瞬でお葬式の風景は消え去り、
同時に、この夢は終わってしまいました。


■どんな曲?

全体的に音の無い、静寂に満ちた夢だったこと、
組曲の中間パートであること、
そして、アルバムのど真ん中(6曲目)であることをふまえ、
歌パート無しの特殊な曲に仕上げました。

「葬送行進曲をロックでやったらどうなるだろう」という方針のもと、
僕の大好きなSENTENCED(今は解散しちゃったフィンランドのゴシック・メタルバンド)
の影響も出しながら作っていたら、
最終的にはゲイリー・ムーアみたいになりました。
不思議。

個人的に気に入っているのは、2パート目のオルガンのメロディ。
3パート目に入ってもそのまま継続できるよう、
ギターの対旋律になるようにしてあります。
熱いギターメロの後ろに注目して頂くと、
オルガンもメロを弾き続けているのが聴こえると思います。

あと、この曲のメロディは…ごにょごにょ。
…続きは「その3」の解説にて。


■そのほかのエピソード

弔いのセリフは、みんなで飲んだ時に、
酔った勢いでハンディレコーダーで録りました(笑)。

ひときわ目立つ「えーん えーん」という声は、
ひつじG:みうみう です。
エモーショナルなリードギターといい、良い仕事しますねぇ。

ひつじAによる全曲解説:第16回「ご・アマーモス」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては5曲目、見開きドドーンのイラストが美麗な、
「ご・アマーモス」です。


■どんな夢?

冷たく暗い、宇宙空間。
滅んでしまった惑星の表面で、僕はただ、
ぬぼーっと立ちすくんでいました。
自分の体は巨大化し、そのせいか、宇宙全体が小さく感じます。
どうしてこのような場所にいるのか、
惑星に何が起こったのか、さっぱりわかりません。

わかるのは、あたり一面に広がる星々に向かって、
歌を唄い続ける必要があるということ。
そしてその歌は、
「ご・アマーモス」という、
たった1行のフレーズしか無いものだということ。

哀しさも寂しさもなく、ただ無感情に、
僕は「ご・アマーモス」を歌い続けました。

するとどうでしょう。
僕の心の中に、宇宙の星々の歴史や記憶が次々に流れ込んできたのです。
悲劇的でやるせない、滅びた星たちの記憶の数々。

その時、惑星の東西南北から、不思議な気配を感じました。
辺りを見回すと、ウサギや子ヤギや、真っ赤なハトや真っ青なハトが、
「ご・アマーモス」を唄いながら集まってきているではありませんか。

僕も負けじと唄い返すうち、
やがてその歌は大きなエネルギーとなって宇宙全体に拡がっていきます。
同時に、星々から送り込まれる悲しい記憶の波が、
次第に和らいでいくのを感じ始めました。

僕は気付きます。
「そうか。この歌は、宇宙における共通の鎮魂歌だったんだ。
無機物、有機物、すべてに対して有効で、そして誰もが知っている・・・」

・・・ここで覚醒。


■どんな曲?

抽象的でシュールながら、とても深い余韻を残す夢でした。
なんともいえない物悲しい感覚を音楽化するのは苦労しましたが、
ひつじG:みうみう がこの曲をとても気に入ってくれて、
多彩なトーンのギターを駆使して曲に深みを与えてくれました。
ありがとう、みうみう!

厚く重ねたコーラスや、サビでのシューゲイザー的なギターワーク、
ハイポジションでメロディアスに動き続けるベースなど、
初めての試みが盛り沢山の1曲です。


■そのほかのエピソード

イントロのメカニカルなキーボードは、ほんっと難易度高かったです。
作曲時、実際に弾くことを考慮しないで作ると大変なことになりますね。

なお、この曲から7曲目の「にぎゃにぎゃじゅむじゅむ」まで、
トラックは分かれていますが、音のほうはメドレーのようにつながっています。
「たいようのさいご」シリーズとはまた別の、
隠れた三部構成組曲。


ひつじAによる全曲解説:第15回「ドSピエロのボブ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては4曲目、シングルカットとして以前から発表していた「ドSピエロのボブ」です。


■どんな夢?

とある住宅街の一角にある、とある公園。
子供から大人まで沢山の人で賑わうその公園に、
ある時期から、一人の不審な人物が現れるようになりました。

彼の名はボブ。
白塗りの顔にシルクハットを被り、ムチを持った、年齢不詳の人物です。

ムチを振り回しながら無差別に襲い掛かってくる彼は、人々を恐怖に陥れました。
ですが、それもつかの間。
まもなく、彼は笑いの対象になってしまいました。

なぜなら、彼の攻撃は、絶対に相手に当たらないのです。
わざと当たろうとしてもスルンとすり抜けてしまうくらい、本当に当たりません。

なぜ当たらないのか。
実は彼、ドSピエロの家系に生まれながらも、人を傷つけるのが大嫌いだったのです。
そのため、無意識のうちに攻撃を手加減して、ムチが当たらないようにしていたのでした。
生い立ちゆえの使命感を持ちながらも、自らの優しさゆえに全力を出せないボブ。

ですが、人々はそのことを知りません。
ただただ彼をバカにし、からかい続けます。

・・・そして。

彼はとうとう、ムチを振ることもできず、家に帰ることもできず、
公園の片隅でしょんぼりと座っているばかりの存在になってしまったのでした。


■どんな曲?

この夢を見た直後、「ドSピエロの家系」ってなんじゃい(笑)と苦笑しながらも、
イメージがどんどん膨らんでしまい、
起床後、30分とかからずに歌詞もメロディも完成しました。

攻撃を外したときの、「おっとっとっと・・・」と片足立ちでよろめくボブ。
その姿がまるでタンゴを踊っているような感じだったので、アレンジ面でもタンゴを強く意識しています。
展開のはっきりした歌謡曲っぽい出来になったので、
これはシングルとして最初に世に出そう!とすぐに決断したのを今でも覚えています。

その決断は間違っていなかったと思いますが、
まさか、肝心のアルバムが出るまで数年かかるとは・・・。
これは完全に誤算でありました、すみません。


■そのほかのエピソード

アルバムバージョンでは、ボブの妄想パートをより具体的に表現すべく、
恥ずかしいポエムを追加収録しています。
その他、ミックスのやり直しや、キーボードのフレーズを部分的に削除するなど、
いろいろ変更をかけています。

シングルバージョン、アルバムバージョン、それぞれの良さがあり、
どちらが優れているわけでもないと思っていますので、
両者の違いを楽しんで頂けたら嬉しいです。

特に、シングルバージョンのブックレットには、
アルバムには載っていないイケメンversionのボブのイラストもあります。
イケメン好きの皆様は要チェック!


ひつじAによる全曲解説:第14回「ホラーティッシュのうた」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては、3曲目、「ホラーティッシュのうた」。
かれこれ10年以上も昔、アルバイトに勤しんでいた時代に見た夢を元にしています。


■どんな夢?

とある雑貨屋でバイト中、話題の新製品のサンプルが届きました。
その名は「ホラーティッシュ」。
5箱で1セットになったそのティッシュは、
思わず鳥肌が立つような禍々しい雰囲気を放ち…

なんてことは一切なく、どうってことのない、安っぽいオーラを放っていました。

呪いの紋章付きティッシュ(ホワイト&イエロー)、これは、まぁ分かる。
ホラーっぽいもんね。

血痕付きティッシュ(ピンク&ブルー)、これは分かりやすいかも。
血の痕が付いてるのは、まぁ怖いかもねぇ。

わさびティッシュ(グリーン)、おい、なんだこれは。
あぁ、でも、これで鼻をかんだりしたら、確かに恐ろしい事態にはなるか。

ティッシュを試しに使ってみながら、なんとか怖いところを見つけようとしますが、
正直、安っぽさばかりが目につきます。
ぜんぜん怖くない。
がっかりしながら、雑貨屋の店長と雑談を始める僕。

「それにしても、なぜ、血痕付きがピンクとブルーなんですかねぇ?」
「血痕付きティッシュがホワイトだと、鼻血をふいた後のティッシュみたいだろ?
だから目立たないブルーとピンクにしたらしいよ」
「な~るほど」

…?

…まぁ、そんな夢です。


■どんな曲?

あまりにしょーもない夢だったので、
ちょっと脚色を加えて、CMソング化してみました。
夢で見た通りの展開をそのまま曲にするというルールから逸脱しちゃうかな?と、
最初は躊躇もありましたが。。
夢の中でCMソングが流れていた記憶もあるので、まぁいいかと。

全体的にノリノリのポップロックチューンですが、
中間部では、不吉な数字と呼ばれがちな「13」を取り入れ、
13/8拍子なんていう難しい拍子を使ってみました。
その結果…

肝を冷やしたのは楽器隊メンバーだけだったというオチ。
リズム間違えそうで、すごく怖かったです。

あと、ひつじBのイラストの、送料の部分。
これは、ホラーですよ。
なにせ、商品の値段よりも、送料のほうが高いですからねぇ!


■そのほかのエピソード

この曲の特徴でもある、うさんくさいテレビ通販パート。
1本のマイクをボーカル二人で持ち替えながら、
アドリブでやってもらったのですが。

録音前に軽い打ち合わせをしただけなのに、
たった1回のテイクで完了。

凄い、凄いぜ。

…と思ったけれど、考えてみれば、この二人は普段からこんなノリなので、
単に素のキャラが顕在化しただけかもしれない説。
まぁ、結果オーライですけども。


ひつじAによる全曲解説:第13回「ナナシザメ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

続いては、2曲目、「ナナシザメ」です。


■どんな夢?

夢の中で、僕は、何の目的もなく、ただ広い海の中を泳ぎ続けるだけの生き物でした。
泳ぐ意味も分からない、自分がそこにいる意味も分からない。
そもそも、自分って何なんだっけ?
自分の名前って何だっけ?

悩み続ける生活に嫌気がさし、ちょっと遠くまで泳ぎに行ってみたところ、
暗い海の底で迷子になり、彷徨い続ける羽目に。
押し寄せる海流に飲まれ、
「もうこのまま死んでしまうんだろうなぁ」と思ったところに、
ふと、不思議な声が聞こえます。
「君に名前をあげよう」と。

気が付くと、まぶしい、明るい世界に僕は居ました。
もの珍し気に浴びせられる視線の中で、
僕は、自分が「サメ」という名前の生き物だということを知ります。

初めて名前をもらった喜び、注目される喜び。
やっと、自分が何者なのか分かった喜び。

しかし、絶滅した種の唯一の生き残りであったために、
過度に保護され、注目され、もはや自由に泳ぐことすら出来なくなりました。

こんなことなら、昔のほうが良かった。
自由に泳げた頃のほうが良かった。

そんなことを思いながら、水槽の中で、
昔の生活を思い出しながら泳ぎ続けるのでした。

”そうだ、嫌われていても、疎まれていても、
あの時の自分は、少なくとも孤独ではなかったのだ”


■どんな曲?

ぱっちりひつじ史上、最も長くて複雑な曲です。
あまり難解にするつもりは無かったのですが、
夢で見たストーリーを描写していくうちに、どんどん筆が進み、
気が付いたら、こんな大曲になっておりました。

イントロを経た後、シンセリードがメロディをとる6/8拍子のパートは、
いわばこの曲の主要テーマ。
後半に出てくるオルゴールパートや、
歌メロの一部も、このテーマをもとに組み立てられています。

そして、ようやく始まる歌メロパート。
この部分だけでも成立するような、
オードソックスな児童ソングをイメージして作りました。
ちゃんと、Aメロ、Bメロ、サビ、があります。

その後、深海を彷徨ったり、波にもまれて浜辺に打ち上げられたり、
水族館に保護されたりしながら、
元の歌メロパートに戻っていくのですが。

音楽的には元に戻っていながらも、
お話としては、まったく違うシチュエーションに変化しています。

…そのあたりは、ぜひ、歌詞と絵を見ながら聴いて頂けたらと。

自分が何者か分からずに、ただ「個」を求め続けたサメ君の、
ちょっと切ない物語を楽しんでもらえたら嬉しいです。


■そのほかのエピソード

泣きのギターソロがたっぷり盛り込まれたこの曲。
あまりにギターパートが多すぎて、
ひつじG:みうみう から、
「エンディングは、キーボードもソロやってくださいよ!」
と怒られてしまいました。
その結果、エンディングはギターとオルガンのソロバトルをすることに。
でも、やって良かったな、と思っています。

あと、特筆すべきは、主人公が浜に打ち上げられてからの、
縦長の生き物が取り囲むシーン。
学者(男)、学者(女)、漁師、老人、悪ガキ、という5つのキャラを、
ひつじE:ゆう が全て演じています。
器用ですねぇ。

ひつじAによる全曲解説:第12回「たいようのさいご ~その1~」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

このコーナーもようやくの再開です。
過去の曲のうち、まだ解説していないものもいくつかあるのですが、
それはいったん置いておくとして。
2ndアルバム「ゆめにっき2」の全楽曲に込めた思いを、
熱く語っていこうと思います!

まずは、1曲目、
「たいようのさいご ~その1~」。


■どんな夢?

太陽が爆発してしまう夢を、昔からよく見ていました。
もう、ドカーンドカーンと本当によく爆発していて、
正直なところ見飽きたくらいです。

ただ、そこには大きく3つのパターンがありまして。
簡単に書くと、以下のような感じです。

・自分が太陽そのものになって爆発する
・爆発した太陽を客観的に眺めている
・まったく関係のないストーリーの中で、太陽が爆発したことを知る

この事に気づいた時、
「これは三部構成の組曲にできるぞ、むふふ」
と思いついてしまったわけですね。

というわけで、本曲は、1つめのパターンである、
自分が太陽となって爆発する夢を題材にしています。

よくわからないけれどイライラする感じ。
自分の中に存在する原子の粒が、ぶくぶくと核融合を起こし、
抑えが利かなくなっていく感覚。

…ストレス社会を反映したような夢で、なんだかイヤですが。
曲の題材にできたから、まぁいいや。


■どんな曲?

イライラした気持ちを表現するために、
変拍子、不協和音、唸り声を、たくさん入れました。
ギターもベースも、ほんとに覚えにくいフレーズばかりです。
みんな、よくこんなの弾くなぁ(無責任)。
ひつじBのイラストもイライラ感が満載。
ボーカルは、ひつじCは敢えてお休みで、ひつじEにすべてを任せました。
爆発する瞬間の絶叫は、本作でも屈指の名演だと思っています。

あと、「太陽」というワードから、
KING CRIMSONへのオマージュも少しだけ入れています。
「part1」とか書かずに「~その1~」という表記にしたのは、
良心の成せる技。


■そのほかのエピソード

自分が太陽になって爆発する夢の中には、
他にも色々なバリエーションがありました。

「ラーメンの出前を運んでいる最中に、交差点でトラックにはねられる。
するとなぜか太陽に変身して爆発。
ナルトやメンマが宇宙に散らばり、それが新たな星となる」

「おいしいハンバーグを作ってくれるお姉さんが、僕のおでこをタッチする。
すると、なぜか太陽に変身して爆発。宇宙を漂う大量のハンバーグ。
焦げてはいるが、けっこう美味」

…などなど。

今回の作風には合わないので、そのあたりは描きませんでしたが、
その4、その5、を作ることがあれば、
題材にしてみても良いのかも?