ぱっちりひつじ

げんじつにっき

ひつじAによる全曲解説:第22回「たいようのさいご ~その3~」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

「ゆめにっき2」の最終曲です。
今回は、アルバム全体のコンセプトや仕掛けにも触れながら書いてみようと思います。


■どんな夢?

太陽が爆発する夢をよく見る、というのは今まで書いてきた通りですが、
その中でもひときわ印象的だったのがコレです。

夢の中の僕は、小学生くらいの年齢で、
家族と一緒に過ごしていました。

夕飯のお手伝いも終わり、何気なくテレビをつけると、
やっていたのはニュース番組。
子供である僕にとってニュースは興味がないので、すぐにチャンネルを変えたのですが…。
不思議なことに、どのチャンネルもニュース番組しかやっていません。

さらに不思議なことには、どの番組にもニュースキャスターの姿はなく、
音のない画面に、こんなテロップだけが流れているのでした。
「太陽は、今日、爆発しました」

そのテロップを見ているうちに、僕は状況を理解しました。
太陽が爆発したことで、僕らはみんな死んでしまったんだ。
そして、ここはきっと天国の世界なのだ、と。
部屋の中の何もかもが真っ白なこと、窓の外には広大な宇宙空間が広がっていることからも、
それは明らかでした。

それでも僕は、悲しい気持ちになるどころか、むしろ不思議な安らぎすら感じていました。
宇宙船のような部屋の中で、ニコニコ笑っている家族。
太陽が爆発した理由も、これから自分たちがどこへ向かっていくのかということも、
すべて分かるような気がしていました。

爆発してしまった太陽に祈りを捧げながら、
窓の外の星々を眺め続ける僕。


…と、ここで覚醒。


■どんな曲?

太陽三部作のシメということで、「その1」と「その2」を総括する作りを目指しました。
歌詞だけでなく、メロディやフレーズの部分でも、
以下のような関連性を持たせています。

(1)イントロ&エンディングのフレーズ
→「その2」の裏メロディ(=オルガンパート)を、メジャーキー化したもの

(2)Aメロ後半の、ベースのオブリガード
→「その2」のメインメロディをメジャーキー化したもの

(3)間奏部分、太陽が爆発したことを回想するパート
→「その1」のフレーズやリズムを散りばめながら変奏したもの

(4)曲の最後の時計の音
→「その1」の冒頭と一緒


特に(4)の項目は、アルバム全体の仕掛けにも大きく関わっています。
この部分だけ12曲目としてトラックを分離しているのは、
「11」と「1」の間に「12(=0)」が必要だったからです。


…ここから先は、
ブックレットやCD盤面のデザインを見ながらお読み頂けると幸いです。


■アルバムのコンセプトと仕掛けについて

本作で題材にした夢は、なんらかの「死」が登場するものが多いです。
星が爆発したり、線が滅んだり、飛行機が墜落したり。

しかし、ただ単に暗いアルバムになってしまったり、
死を肯定しているような受け止め方をされてしまうのは本意ではありませんでした。
むしろ、ネガティブなテーマを、ポジティブな気持ちに昇華したかったのです。

そこで、ぐるぐると回り続けるアナログ時計をモチーフにし、
「夜があけたら、また朝がくる」
というテーマのもと、全体の構成を組み立てました。
11曲+1曲を時計の1周に見立てた、循環構造です。
最後の曲が、最初の曲につながる。
何かが終わったとしても、それは何かの始まりかもよ?といった感じです。


ただ、それだけでは面白くない。

そもそも、地球の裏側では、夜は昼だし、昼は夜です。
状況、あるいは意識の持ち方で、物事の定義はコロコロ変わる。
始まりは終わりかもしれないし、終わりは始まりかもしれない。
物事の全ては、真逆のようで、実は同一かもしれない。

その意識を踏まえて、
今作の曲順やデザインには、「シンメトリー構造」を取り入れました。

時計の6時、12時を基点として、
全てが対称性を持った構造になるように設計しています。

01=11
02=10
03=09
04=08
05=07
06=12=00

曲調、テーマ性だけでなく、
ブックレットのページ構成も、このテーマに合わせて作りました。

どこがどう対称性を持っているのか考えながら聴いて頂けたならば、
まさに、作り手冥利に尽きるというものです。
ぜひぜひ、推理してみてください。


■最後に

ブックレットの最終ページには砂時計が描かれていますが、
ここは12時であり0時。
砂時計をくるんとひっくり返せば、
また新しい1時が始まります。

夜が明けたら、また朝は来ます。
哀しいことがあったとしても、楽しいことがまたあるかもしれません。

みんなが希望を持って生きていけますように。

夢は繋がるのです、ぐるぐると。


ひつじAによる全曲解説:第21回「かえってきたナナシザメ」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

ゆめにっき2の楽曲解説もついに終わり間際。
ラスト1個前を飾るのは、「ナナシザメ」の締めとなる曲です。


■どんな夢?

「ナナシザメ」の夢には、実は続きがありまして。

元の海に戻りたいと願っていた僕は、
気が付くと、不思議な空間にいました。

驚くほど真っ白で静かで、それでいて温かい空気に包まれているような感覚。
あたりを満たすのは水ではないけれど、不思議と呼吸も出来るし、
自由に泳ぐこともできます。

「おそらく自分は死んでしまったのだろうな」と思いながら泳ぎまわっていると、
遠くのほうに、見覚えのある影がたくさん見えました。
昔、自分のことを怖がっていた、魚やカメたち。
彼らはなぜか、ニコニコと笑いながら僕のほうを見ています。

さらに泳いでいくと、大きな2つの影が見えました。
ああ、懐かしい、誰だろう。
自分と全く同じ形をした2つの影は、そんな僕にやさしく語りかけてきました。

「おかえり」
「おかえり」

すると、あたりの真っ白な空間はだんだんと美しい青に変わってゆき、
水面を通してキラキラと輝く、まぶしい太陽の光が差し込んで・・・


・・・ここで覚醒。


■どんな曲?

最後に語りかけてきたのは、おそらく、サメ君の両親だったと思います。
長い旅を経て、彼は再び海に戻れたのか、あるいは戻れなかったのか。

夢をみた本人にもわかりませんが、
「戻れていたら良いな」という思いを込めて、
優しく温かいふんわりした楽曲として、本編から切り離しました。

リズム隊のいない、シンセとアコギと歌だけで構成されたこの曲。
ひつじG:みうみう による美しいギターの旋律は、
歌詞以上にストーリーを物語っていると自負しています。

ボーカルはひつじC:ちさる だけに聞こえますが、
よくよく聴いて頂くと、ひつじE:ゆう のウィスパーボイスが重なっているのが分かると思います。
これは、新しい世界へ泳いでいくサメ君の魂が古い体から離れていくようなイメージです。
ちょっと違いますが、幽体離脱みたいな感じ。


■そのほかのエピソード

実は本アルバムには、「終わりから始まりにつながる」という隠しテーマがあります。
この曲の歌詞の内容自体もそうですが、
単独曲として切り離したうえ、この場所に配置していることにも意図があったりします。

詳しくは次回の解説にて。


ひつじAによる全曲解説:第20回「ついらくせんようマシン」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

今回は、ザクザクのギターが暴れまわるヘヴィメタルチューン「ついらくせんようマシン」についての解説です。
(ヘッドバンギングしながら書いています)


■どんな夢?

墜落することを目的とした、赤い戦闘機。
それが、夢の中での僕の姿でした。

目的はひとつ。
墜落して、パイロットの命を絶つことです。
戦闘機の仲間は他にも沢山いて、
中には数十人のパイロットの命を葬った歴戦の猛者などもいます。

しかし僕は落ちこぼれ。
何度も墜落を試みるものの、まったく成果を上げられずにいました。

このままではいけない。
入念に準備をし、満タンだったオイルも半分に減らしておきます。
さあ、今夜こそ、我が主(=パイロット)の命を絶たせてみせようぞ!

意気揚々と飛び立つと、なかなか良い感じ。
我が主のご機嫌も上々で、ちゃんと連携もとれている。
飛んでいるうちに段々と気持ちも良くなってきて、
制御回路もぶっ壊れてきて、いよいよ墜落だ!!ひゃっはーー!!!

と、その時。

我が主は何を思ったか、ピピピっとパネルを操作し、
異常を起こした部分をすべて修復したうえ、
おどろくほどの素早さでハッチを開け、
バビューン!と脱出して、どこかへ行ってしまったじゃありませんか。

何が起こったか分からず、ただ茫然と飛び続ける僕。
空っぽの操縦席が、とても寂しい感じ。

またしてもミッションをこなせなかった僕は、失意の中、
砂漠に向かって一人で墜落していきます。
最後くらいは、せめて戦闘機としてカッコよく墜落しようと心に決めながら。


・・・と、ここで覚醒。


■どんな曲?

歌詞とメロディが出来た時点で、
「これは、男っぽい本物のヘヴィメタルにしてやる!」と思っていました。

メインボーカルをひつじE:ゆう に一任し、
ひつじG:みうみう にメインのギターリフを考えてもらう。
キーボードは必要最低限のフレーズだけを弾いて、裏方に回る。

普段のぱっちりひつじのやり方とは全く違うアプローチを試みたところ、
狙った通りの効果が出せました。

とはいえ、やはり物語的な展開も大事ですし、
効果音なんかもけっこう頑張りました。
(一人で取り残されたシーンでの、飛行音とか)

MEGADETHやIRON MAIDENへの敬意を払いながらも、
結果的には、我々らしい曲に仕上がったのではないかと自負しています。

あと、歌詞について。
いろいろな深読みができるかとは思いますが、
あまり重く捉えないでもらえたらと。
なぜこのような夢を見たのかという点で、自分で思い当たる節もあるのですが・・・。
こうやって歌にできたことで、解消されていますので。


■そのほかのエピソード

この曲、メンバーみんなの熱がかなり高まっていたこともあり、
何回も録り直しを行っています。
「ねぇ、もっかい録っていい・・・?」
「うん、もう編集もミックスも進めちゃってるけど、いいよ、録ろ!」
みたいな。

他にも、
「ここのリフ、どうしようか?」とか、
「ボーカルの処理、こんなんで良い?」とか、
「イラストの構図、どうしようか?」とか、
みんなで楽しく相談しながら作りましたね。

結果、作曲時のデモとは全く違う仕上がりになり、とても満足しています。

あるじがピピピっとパネルを操作する時の音、実はキーボードで手弾きしてるんですが、
そんな細かいこと、もう、どうだって良いです。

バンドって良いですね☆