ぱっちりひつじ

げんじつにっき

ひつじAによる全曲解説:第4回「むらさきのみず」

ひつじA:りょう :
Category: おんがく,ゆめ

少し間があいてしまいました。
今回は、試聴動画の第1段になった「むらさきのみず」です。
物語性の強い曲のため、解説も長くなってしまいました。

■むらさきのみず

「暗い」と評判の(?)曲です。
たまに、「放射能問題の歌?」と質問を頂くこともありますが・・・
小学生の頃から何度も見ている悪夢を元にしているだけで、
何の社会性もメッセージもないです、なんか、すみません。

・・・

夢の中での僕は、隣町にある公園で一人で遊んでいました。
夕方近くになり、もう帰らなければ思い始めた頃、ふと気が付きます。
「あれ?自分の家にはどう帰れば良いんだろう?」

迷子になったことに気付くと同時に、急にノドが乾き始めました。
水を飲もうと、公園にある水道の蛇口をひねると・・・
そこから出てきたのは、毒々しい紫色の水。
いつのまにかポツポツと雨も振り出しましたが、それも紫色。
紫色に染まった公園の中で、僕は不安のあまり泣き出しそうになりました。

そのとき。
目の前に、見慣れた階段が現れます。
それは自分の住んでいる団地の戸口でした。
地面を流れる紫の水が、どんどんその中に吸い込まれていきます。
この階段を上れば、4階にある自宅へ戻れる。
そう感じた僕は、
一抹の不安を感じつつも、階段を上ってみることにしました。

階段を上る僕。
1階、2階、3階と上っていくのですが・・・
なぜか4階がありません。
3階の次が5階になっていて、自分の家など影も形もないのです。

あまりのショックにしばらく呆然としていた僕ですが、
ふと気付くと、下のほうの階から、何やらザワザワ物音がすることに気付きます。
降りてみると、階段の踊り場で、なぜか僕の両親が結婚式を挙げていました。
しかし何かが変です。
よく見ると、母親がタキシードを着て口ひげをはやし、
父親がドレスを着て口紅を塗っているではありませんか。
他の人たちは意味の分からない言葉を喋りながら急に笑い出したり、暴れ出したりしています。

悲しく、そして気持ちが悪くなった僕は急いでその場から逃げ出し、公園へと引き返しました。
紫色の雨はずっと降り続いており、
もう、どうすることもできずに、一人でうずくまっていました。

・・・

とまあ、そんな夢です。
救いようの無いストーリーなうえ、大人になってからも全く同じ内容の夢を見るので、
正直自分でも気持ち悪かったのですが、
これを曲にしてからというもの、すっかりこの夢を見なくなりました。
音楽に変えてしまうことで、この夢を卒業できたのかもなぁと思ったりしています。

そうそう、この曲も色々と仕掛け満載なので、
ちょっと種明かしをしてしまいましょう。

「ぼくのいえは どこにあるの?」以降のインストパート。
これは、”5階建ての団地で、4階が無い様子”を表現しています。

ベースとドラムは5階建てを表すために5拍子を繰り返しているのですが、
その上にポリリズムで乗るギターは、
トップノートのFの音程が、5回、3回、2回、1回と登場するようになっています。
Fは、「FLOOR」のF。つまり、5F、3F、2F、1F、という具合ですね。
あとは、ちょっとした遊び心として、
ギターとハモっているオルガンは、FではなくBの音程を軸にしています。
これは、地下を表す「BASEMENT」とかけています。
ギターが地上、オルガンが地下という感じで、ここがどこなのかわからない、
不安な気持ちを表現しています。

他には、階段を上るパートのスネアの音にシンクロして、
「タッタッタッタッ・・・」という足音のSEがこっそり入っています。
作り手である自分でも聴き取れないくらいの音量なのですが、
有るのと無いのとではけっこう違うもので。
上っている感じがより強まったこともあり、
やって良かったなぁと思っている部分です。

それ以外にも、ストーリーに合わせてかなり綿密にアレンジをしているので、
興味のある方は是非いろいろと解析してみてください。